「親の介護が必要になったら、仕事を休めるの?」
「介護休暇と介護休業って、何が違うの?」
「教員でも利用できるの?」
親の介護が始まると、こんな疑問が次々に出てきます。
特に教員は、授業や学級経営、保護者対応、校務などがあり、「自分が休んだら学校に迷惑をかけてしまう」と考えてしまうこともあるのではないでしょうか。
私自身、元小学校教員として親の介護を経験し、仕事と介護の両立について悩みました。
当時の私は、介護に関する制度について十分に知りませんでした。
今振り返ると、
「もっと早く制度を知っていればよかった」
と思うことがあります。
この記事では、介護休業と介護休暇の違いを中心に、教員が親の介護に直面したときに確認してほしい制度や相談先について、できるだけわかりやすく整理します。
※この記事では、制度の基本を解説しています。公立学校の教員については自治体ごとに条例・規則が異なるため、最終的には勤務先や教育委員会に確認してください。
- こんな方に読んでほしい記事です
- 介護休暇と介護休業は何が違う?
- 介護休暇とは?
- 介護休業とは?
- 介護休暇と介護休業を比較してみよう
- では、教員の場合はどうなる?
- 公立学校の教員が確認したいこと
- 「学校に迷惑をかけるから」と一人で抱えない
- 介護休業中に「介護の体制」を整える
- 介護休暇・介護休業を利用する前に確認したいこと
- 介護を理由に退職する前に考えてほしいこと
- 私自身が介護を経験して思うこと
- よくある質問
- Q1.介護休暇と介護休業はどちらを使えばいいですか?
- Q2.公立学校の教員も介護休業を利用できますか?
- Q3.介護休暇を取ったら給与はどうなりますか?
- Q4.介護休業を取ったら、その間ずっと自分が介護する必要がありますか?
- Q5.介護が始まったら退職した方がいいですか?
- まとめ|退職を決める前に、まず制度を知ろう
- あわせて読みたい
- 公的機関の情報
こんな方に読んでほしい記事です
- 親の介護が始まった教員
- 介護と仕事の両立に悩んでいる方
- 退職するか迷っている方
- 介護休暇と介護休業の違いを知りたい方
- 教員が利用できる介護の制度を知りたい方
- 仕事を辞める前にできることを知りたい方
介護休暇と介護休業は何が違う?
まず、一番知っておきたい違いから説明します。
簡単にいうと、
介護休暇=短期間、スポットで休むための制度
介護休業=まとまった期間、仕事を休んで介護体制を整えるための制度
と考えると分かりやすいです。
厚生労働省も、介護休暇は「仕事と介護を両立しながらスポットで休む場合」、介護休業は「仕事と介護を両立しながらまとまった期間休む場合」の制度として説明しています。
介護休暇とは?
介護休暇は、親などの対象家族の介護や世話をするために、必要なときに短期間取得する休暇です。
例えば、
- 親の通院に付き添う
- 介護サービスの手続きをする
- ケアマネジャーと打ち合わせをする
- 介護施設との面談に行く
- その他、介護や世話に必要な対応をする
といった場面で利用できます。
厚生労働省は、介護休暇について、通院の付き添いや介護サービスの手続き、ケアマネジャーとの短時間の打ち合わせなどにも活用できるとしています。
介護休暇の日数
民間労働者の場合、対象家族が1人なら、
1年度につき5日まで
対象家族が2人以上なら、
1年度につき10日まで
取得できます。
また、2025年4月からは、これまで介護休暇の対象外とすることができた「継続雇用期間6か月未満」という要件が廃止されました。
ただし、週の所定労働日数が2日以下の労働者については、労使協定によって対象外とされる場合があります。
介護休暇は「短い休み」に向いている
例えば、
「明日は母の病院に付き添いたい」
「介護サービスの契約に行かなければならない」
というときに利用を検討する制度です。
介護休業とは?
介護休業は、要介護状態にある家族を介護するために、まとまった期間仕事を休む制度です。
民間労働者の場合、対象家族1人につき、
通算93日まで
3回まで分割して取得
することができます。
ここで大切なのは、
介護休業=その期間ずっと自分が介護をするための休み
ではないということです。
厚生労働省は、介護休業期間を、介護サービスを利用したり、家族で役割分担を決めたりするなど、仕事と介護を両立するための体制を整える期間として活用することを勧めています。
これは、とても大切な考え方だと思います。
介護休暇と介護休業を比較してみよう
| 介護休暇 | 介護休業 | |
|---|---|---|
| 目的 | 短期間の介護・世話 | まとまった期間休む |
| 使う場面 | 通院付き添いなど | 介護体制を整える |
| 民間労働者の日数 | 年5日(対象家族2人以上は10日) | 対象家族1人につき通算93日 |
| 分割 | 日・時間単位など | 3回まで分割 |
| イメージ | 「その日に休みたい」 | 「一定期間休んで準備したい」 |
※上記は主に厚生労働省の育児・介護休業法に基づく民間労働者の制度です。
では、教員の場合はどうなる?
ここがとても重要です。
「教員も介護休業を93日取得できる」
と一括りに説明することはできません。
なぜなら、公立学校の教員は地方公務員であり、勤務する自治体の条例・規則に基づく制度を確認する必要があるからです。
一方、私立学校の教員は、勤務先との雇用関係などによって適用される制度が異なります。
そのため、
「教員だから全国一律にこの制度が使える」
とは考えず、自分の勤務先の制度を確認することが大切です。

公立学校の教員が確認したいこと
公立学校の教員の場合は、まず勤務先の
- 校長・教頭
- 教育委員会
- 人事担当部署
- 職員課など
に確認しましょう。
確認したいのは、
① 介護休暇
どのような場合に取得できるのか。
② 介護休業・休職にあたる制度
どのくらいの期間利用できるのか。
③ 介護時間
勤務時間の一部を短縮できる制度があるか。
④ 時間外勤務や深夜勤務の制限
介護を理由に勤務時間について配慮を受けられる制度があるか。
⑤ 給与・手当への影響
休暇や休業を取得した場合、給与や手当がどうなるのか。
このあたりを一つずつ確認してみましょう。
「学校に迷惑をかけるから」と一人で抱えない
介護が始まると、
「担任なのに休んでいいのかな」
「同僚に迷惑をかけてしまう」
「子どもたちに申し訳ない」
そんな気持ちになることがあります。
私自身も、教員として働いていたときには、仕事を休むことへの申し訳なさを感じていました。
でも、介護はいつ終わるのか分かりません。
最初から最後まで、一人で抱え続けることは難しいものです。
だからこそ、
制度を利用することは、わがままではありません。
仕事を続けながら介護をするために、必要な制度を利用することも大切な選択肢です。
介護休業中に「介護の体制」を整える
厚生労働省も、介護休業中は一人で介護を続けるのではなく、介護サービスや家族の協力を得ながら仕事と介護を両立する体制を整える期間として活用することを勧めています。
例えば、
- 地域包括支援センターへ相談する
- ケアマネジャーに相談する
- デイサービスを検討する
- 訪問介護を利用する
- 家族で役割分担を話し合う
- 介護施設について情報収集する
などです。
「自分が介護をする」だけではなく、
「介護を支える仕組みをつくる」
という視点を持つことが大切です。
介護休暇・介護休業を利用する前に確認したいこと
制度を利用する前に、次のことを整理しておきましょう。
親の状況
- どのような介護が必要なのか
- 通院はどのくらいあるのか
- 日常生活で困っていることは何か
家族の状況
- 誰が介護を担当するのか
- 兄弟姉妹で協力できるか
- 家族以外に頼れる人はいるか
仕事の状況
- どのくらい休みが必要なのか
- 短時間勤務などは可能か
- 職場に相談できる人はいるか
お金
- 介護サービスにいくらかかるのか
- 休暇・休業中の給与はどうなるのか
- 退職した場合の生活費はどうするのか
これらを整理してから考えるだけでも、頭の中の混乱が少しずつ整理されていきます。
介護を理由に退職する前に考えてほしいこと
親の介護が始まると、
「もう仕事を辞めるしかない」
と思ってしまうことがあります。
私自身も、そう考えたことがありました。
でも、退職を決める前に、
「本当に退職しか方法はないのか?」
と一度立ち止まってほしいと思います。
例えば、
- 介護休暇を利用する
- 介護休業を利用する
- 短時間勤務などを相談する
- 介護サービスを利用する
- 家族で役割分担する
- 職場に相談する
- 地域包括支援センターに相談する
こうした方法を検討してからでも、退職を決めるのは遅くありません。
介護休暇や介護休業を知るだけでなく、「教員の仕事と介護を両立できるのだろうか」と悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 教員と介護は両立できる?|退職を考える前に知りたい働き方と制度
もし「介護のために退職するしかない」と考え始めている方は、退職を決める前に確認しておきたいことをこちらの記事にまとめています。
▶ 教員が親の介護で退職する前に考えたい5つのこと

私自身が介護を経験して思うこと
介護を経験して感じたのは、
「知らないことが、一番不安を大きくする」
ということでした。
制度を知らなければ、
「休めない」
と思ってしまいます。
相談先を知らなければ、
「自分で何とかするしかない」
と思ってしまいます。
でも、調べてみると、利用できる制度や相談できる場所があります。
もちろん、すべての人が仕事と介護を両立できるとは限りません。
家庭の事情も、親の状態も、職場の環境も、一人ひとり違います。
だからこそ、
「退職する・しない」をすぐに決めるのではなく、まず選択肢を知る。
それが大切なのだと思います。
よくある質問
Q1.介護休暇と介護休業はどちらを使えばいいですか?
利用する場面によって異なります。
通院の付き添いや手続きなど、短期間の対応なら介護休暇。
介護サービスの手配や家族との役割分担など、まとまった準備が必要なら介護休業を検討すると分かりやすいでしょう。
ただし、教員の場合は勤務先の制度を確認してください。
Q2.公立学校の教員も介護休業を利用できますか?
公立学校の教員は地方公務員なので、一般の民間労働者向けの育児・介護休業法の制度をそのまま当てはめるのではなく、勤務する自治体の条例・規則を確認する必要があります。
まずは管理職や教育委員会、人事担当部署に相談しましょう。
Q3.介護休暇を取ったら給与はどうなりますか?
制度や勤務先によって異なります。
民間労働者の介護休暇については、厚生労働省によると有給・無給は会社の規定によります。
公立学校の教員については、自治体の条例・規則を確認してください。
Q4.介護休業を取ったら、その間ずっと自分が介護する必要がありますか?
介護休業は、介護サービスを利用したり、家族で役割分担を決めたりするなど、仕事と介護を両立する体制を整えるための期間として活用することができます。
Q5.介護が始まったら退職した方がいいですか?
必ずしもそうとは限りません。
まずは利用できる制度や介護サービスを確認し、職場や専門機関に相談してみましょう。
そのうえで、自分や家族にとって退職が必要だと判断した場合には、その選択を考えていけばいいのです。
まとめ|退職を決める前に、まず制度を知ろう
介護休暇と介護休業は、似ているようで役割が違います。
介護休暇
→ 通院の付き添いや手続きなど、短期間の対応に。
介護休業
→ 介護サービスや家族の役割分担など、仕事と介護を両立する体制を整えるために。
そして、教員の場合は、
公立・私立などの勤務形態によって確認すべき制度が異なります。
「教員だから利用できない」
「介護になったら退職するしかない」
と決めつける前に、まず勤務先の制度を確認してみてください。
制度を知ることで、選択肢が一つ増えるかもしれません。
私自身も、介護を経験して、
「もっと早く知っていればよかった」
と思うことがたくさんありました。
だからこの記事を読んでくださった先生には、退職届を書く前に、一度だけでも制度について調べて、誰かに相談してほしいと思っています。
あなた一人で抱えなくても大丈夫です。
あわせて読みたい
▶ 教員が親の介護で退職する前に考えたい5つのこと|後悔しないための準備と制度

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公的機関の情報
制度は改正されることがあります。最新の情報は、公的機関のページをご確認ください。
▶厚生労働省マンガで学ぶ 介護休業制度(令和7年2月作成)https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001006098.pdf
▶ 厚生労働省「介護休業制度特設サイト」
公立学校の教員については、勤務先の教育委員会・人事担当部署にも確認してください。
▶ 厚生労働省「介護休業」https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/kaigo/leave/
※この記事は制度の概要を紹介するもので、個別の法律相談や制度利用についての判断を行うものではありません。



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